お住いのマンションの資産価値は大規模改修・修繕工事によって左右されます。マンション大規模修繕を無事成功させるための進め方をご紹介いたします。
理事会には様々な課題があります。もちろん大規模改修・修繕工事だけではありません。
課題のすべてを理事会だけで進めることは容易ではないので、大規模改修・修繕工事を進める上で「修繕委員会」を別に組織する管理組合様もあります。
修繕委員会のメンバーは組合員の中に建築の専門家がいらっしゃれば参加を促したり、意欲のあるk見合い院様の参加を募るなどマンション全体で大規模修繕工事に取り組む体制を整えることが大切です。
②建物調査診断設計の実施
大規模改修・修繕工事を実施する前に建物の調査診断を行い、現在の建物の状態を正しく把握します。
その調査結果を基に修繕工事の時期の検討を行います。
診断業務に合わせて修繕する場所などの設計業務も行えば修繕工事金額の予測も可能となります。
③工事内容と範囲予算の検討
マンションの建物調査診断の結果でわかったマンションの劣化の状態と修繕予算を見合わせて、優先順位をつけて、必要な工事を選択します。
その中でも特に足場の設置が必要な工事については、まとめて実施するようにします。
④施工会社の選定
大規模修繕の施工会社は少なくとも2~3社から選定します。選定の基準としては工事の金額だけではありません。
施工実績、財務内容、現場代理人のスキル・人柄、緊急時の連絡体制などを比較します。
また、書面や資料だけではなく、実際に修繕委員会などで施工会社の代理人(現場監督)等にプレゼンを行ってもらいます。
話しやすさなども選定のいい基準です。
⑤管理組合総会での工事実施の決定
工事を実施する最終的な決定は管理組合の総会で行います。
総会の決議にあたって、事前に委員会の活動をこまめに広報することが大事です。
工事の内容の検討状況や施工会社の選定状況などの情報を広報します。
特に施工会社の選定は、組合員の皆さまが納得しやすいような選定の基準や理由が必要となります。
⑥工事説明会の実施
大規模修繕工事を実際に行う上で、生活に影響することが色々あります。
バルコニーに置いている物を撤去したり、外壁に足場が設置され、シートで覆われるなどがあります。
そのために工事を実施する前に工事説明会を行います。
工事期間のどの時期にどんな影響が出るのかなどをお住いの皆さまに充分納得していただくことが大事です。
工事説明会を行うことで工事中にクレームが入ったり、工事を実施する上で支障を未然に防止できます。
お住いの皆さまが全員で協力して円滑に工事が進むようにしましょう。
⑦工事の着工(近隣あいさつなど)
工事着工前に、施工会社を通して近隣の皆さまへも挨拶と工事概要、時期などをお伝えします。
修繕委員会の委員長や理事長が同行する場合もあります。
特に近隣の皆様へも影響がある工事の場合、工事前にその内容を伝えて、実施日の前日には再度お伝えします。
配慮することで無用なトラブルを未然に防ぐことができます。施工会社がお手伝いをします。
⑧施工品質のチェック
大規模修繕工事の途中では施工の品質、仕上がり状態の確認を行いましょう。
技術的な確認は工事監理者などの第三者に依頼すると確実で安心です。
また、壁の色や表面の仕上げ状態などは実施前の色見本とは違うことがあります。
実際マンションの壁を一部塗装して比較して確認することをお勧めします。
⑨竣工調査・検査
竣工調査とは、マンション大規模修繕工事の完成度合いを確認する調査です。工事内容の不具合が完了後に発覚しても
足場を解体した後では簡単には補修できないこともあります。
大規模修繕工事の技術的な確認は工事監理者などの第三者に依頼して、足場が必要なところで組合で確認できる場所は
念入りに確認しましょう。
⑩竣工(完成)
マンション大規模修繕工事が完了した後、保証書、工事記録等の竣工図書を管理組合でしっかり整理し、保管しましょう。
また、施工会社のフターサービスの内容を確認して、不具合が発見された場合の対応を確認しておきます。
アフターサービスの内容や期間は工事請負締結時にしっかり確認しておきます。
また、長期修繕計画書の最新版も依頼しましょう。